薬で治療が難しいうつ病が感染症であるという仮説

うつ病は社会的な問題としても捉えられるほどに世界的に広まっている状況があります。誰もが心の健康を望むものではあるものの、心理的ストレスや社会的ストレスなどが原因となってうつ病となってしまう人は後を絶えません。しかし、その原因もストレスであると仮に考えられているということが多く、本当にそれが原因であるのかどうかということには疑問が残らざるをえないのが実情です。脳の中で何が起こっているのかということを正確に理解していくことはまだ難しいこともあり、うつ病の本態がどういったものであるかは明確になっていません。うつ病と診断された場合には治療薬とされる抗うつ薬が処方されますが、一つの薬で効果が得られるということは稀であり、いくつもの薬を組み合わせて試行錯誤を行い、症状を抑えていくというのが基本的なアプローチとなっています。
うつ病の患者と一緒に生活しているとうつ病になってしまうという人もいることから感染症ではないかということを考える人もいましたが、精神的なものであるため、それは否定されてきました。しかし、少し違った確度から感染症であるという可能性を主張する説も登場してきています。うつ病になりやすい人となりにくい人がいるのは事実であり、それがDNAのレベルで決まっているというものです。ボルナ病ウイルスの配列が人間のゲノムの中に組み込まれていることが知られており、これが何らかの要因で機能する形で発現するかしないかということでうつ病になるかならないかが定まっているという仮説が提唱されました。そうであるとすればウイルス感染症の一つと位置づけることが可能になります。あくまで仮説ではあるものの興味深い説ではあるでしょう。